国立市北口徒歩3分のジムを拠点に活動している、女性パーソナルトレーナーの天野絵梨子です。
ダイエット中の女性の方のお悩みで、
「生理前や生理中は、体重が増えてしまいダイエットが進まない!」
というお声を多く耳にします。
生理前〜中は体調も変化しやすい時期なので
ただでさえストレスフルなのにも関わらず、
体重が増えてしまったりすると、さらにナーバスになってしまうもの。
ですが、これって健康な女性にとっては仕方のない事。
なぜなら女性ホルモンの働きによる物だからです。
どうしても、この時期は女性ホルモンのバランスが変わりやすい時期なので、
身体に与える作用も大きく変化してきます。
一体どういったホルモンが、どのような作用をしてダイエットの邪魔をしているのか?
どうすればその影響を最小限にできるのか?を知る事により、
焦らず、大きな気持ちでこの期間を乗り越えられるようになりましょう!
生理前に体重が増加する主な理由
まずは女性の生理周期は
①卵胞期
②排卵期
③黄体期
④月経期
という4つの期間に分けられます。
このそれぞれの期間により分泌されるホルモンのバランスが変動し、
身体の機能も少しずつ変わっていくのが特徴です。
痩せやすい時期→生理終了から〜卵胞期〜排卵期(生理終了~18日前後:低温期)
生理終了から〜卵胞期〜排卵期にかけてです
この時期はエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌されています。
エストロゲンは脂肪燃焼を促す働きを持つので、
ダイエットには最も適した時期になります。
よく耳にする
「加齢と共に太りやすくなった」
という女性の悩みの原因としては、
このエストロゲンの分泌量の低下によるものも原因の一つとしてあげられます。
体重増加期間→黄体期(生理前の約10日間:高温期)
黄体期の期間中はダイエットには不向きな期間です。
排卵後、その卵胞が黄体という内分泌組織に変わり、
この黄体から黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。
プロゲステロンには体内に水分を溜め込む働きがあるため、
浮腫んでしまいやすい期間になります。
また、妊娠しやすい環境へと身体を整えようと作用するホルモンなので、
栄養を身体に溜め込もうと食欲も増進させます。
この
「浮腫み」
「食欲増進作用による過食」
というプロゲステロンの働きによって一時的に体重が増えてしまう方が多い、という事なのですね、、、!
生理中のダイエットやトレーニングとの向き合い方
体重が増える原因は主に浮腫みによる水分量の変化です。
食べ過ぎてしまった糖質、脂質などの栄養が血中の中性脂肪へと変換されるまでに48時間(2日間)
脂肪細胞に変わるまでには、2週間程の時間を要しますので
「昨日、暴飲暴食をしてしまった!!朝、恐る恐る体重を測ったら3kgも増えてる」というようなパターンでも
一夜にして体脂肪が増えた訳ではありませんので、焦ってしまって
無理に断食することはなどはやめましょう!
極端な食事制限はNG!食べ過ぎた48時間以内で調整を!
血中の中性脂肪や、肝臓に蓄えられた糖質(グリコーゲン)を48時間以内に少しでも消費する事が重要になりますので
食べ過ぎてしまった後の2日間程度は
いつもより糖質や脂質を控えた食事制限をし、
有酸素運動(血中の中性脂肪代謝に効果的)、筋トレなどの無酸素運動(成長ホルモンなどの分泌により脂肪燃焼へ効果)
を行い、食べ過ぎを調整する事がオススメです。
バランスの良い栄養摂取で代謝低下を防ごう
「食べ過ぎてちゃった、、、!」と焦って
バランスの良い食事を摂らずに、
摂取カロリーを極端に減らしてしまうと、
体調を崩してしまったりストレスを溜め込んでしまったり、代謝低下を招く事になりやすいので、要注意です!
特に、生理中は出血により貧血に陥りやすくなります。
貧血によって代謝が落ちてしまう事もわかっており、より体重増加に拍車をかけてしまう事になりがちです。
特に鉄分は積極的に摂取して欲しい栄養素になります。
鉄分の効果的な摂取方法についてはこちらの記事で解説しています↓
冷えを予防して生理痛対策
生理時の経血は
エストロゲンやプロゲステロンの働きにより厚くなった子宮内膜を
「プロスタグランジン」という物質が子宮を収縮させる事により、外に排出させたものになります。
このプロスタグランジンというのは痛みの物質なので、下腹部の痛みにつながります。
身体を冷やしてしまうと、
骨盤内の血行が悪くなって経血を排泄しづらくなってしまうため、
プロスタグランジンの分泌量を増やし、過剰に子宮を収縮させようとしたり、
プロスタグランジンが子宮内に滞り、生理痛を悪化させてしまう事にもつながります。
この冷えによる悪影響を防ぐ為には、
軽い運動をし血行を良くする事が効果的だという報告もあります。↓*参考文献
生理中は体調を考慮しながら無理のない強度設定でトレーニングをするように心がけましょう。
本来は体調的に生理中はベストなパフォーマンスが期待できる期間とは考えづらいので、
決して無理せず、マイペースに!!
PMSや生理痛がきつい人はお休みしたってOKなのです。
食欲増加防止策
ここまでお読みいただいて、女性ホルモンの働きにより
黄体期にはプロゲステロンの働きにより、どうしても食欲が増進してしまうことがお分かりいただけたと思います。
次に、
辛いこの時期の食べ過ぎを防止する為にオススメの予防策をいくつかご紹介していきたいと思います!
朝食前にプロテイン一杯プラス!
運動後のタンパク質摂取にお馴染みのプロテインシェイク。
最近ものは味もとても美味しく、飲みやすいですよね!
普段から飲んでいる方は
プロテインを飲んだ後って「満腹感が続くなぁ」と感じた事はありませんか?
実はタンパク質を消化する時に分泌される
コレシストキニンというホルモンには脳の満腹中枢に作用し、食欲を抑える働きがあるのです。
食べ過ぎ防止としてプロテインを取り入れるタイミングとして、
オススメは食前です。そして最もオススメなのは朝食前になります!
さらに食物を摂取すると小腸からGLP1というホルモンが分泌されます。
このホルモンには
・血糖値を下げる働きを持つホルモン「インスリン」を分泌させ、血糖値を下げる
・食欲を抑える
などの働きがあります。
朝食を摂る前の状態は、血液の中に遊離脂肪酸(FFA)が非常に多く、
FFAにはインスリンの効き目を邪魔してしまう作用があります。
なので、1日の最初の食事は血糖値が急激に上がりやすくそれを下げる為にインスリンが過剰分泌されやすいのですが、
インスリンには血糖値を下げる作用の他に、脂肪蓄積を促進させる効果も併せ持っていますので
血糖値の急上昇は避けたいところ。
そこで、朝食を摂る前にホエイプロテインを摂る事で、
インスリンやGLP-1が分泌され、その後の食事摂取による血糖が安定した、との報告がされています。
↓*参考文献
・2型糖尿病患者の血糖コントロールに食前のホエイプロテイン摂取が有効
・https://pmc.carenet.com/?pmid=25005331
おまけに、栄養素を体内へ消化吸収される際には、消費カロリーが発生していて(食事誘発性熱生産:DIT)
糖質は摂取エネルギーの約6%、脂質は約4%、タンパク質はなんと約30%とその割合が最も大きくなるので、
朝にしっかりタンパク質を摂取することは、1日の代謝向上につながります。
水分を積極的に摂取する
食事の30分前に500mlの水分を摂取したところ→3ヶ月後に体重が平均4.3㎏減少した
という研究結果があります。(*参考文献はリンク参照)
これは、食前の水分摂取が食欲の抑制につながったのではないか?と推測します。
そもそも水分は
栄養素の消化吸収の際に起きる様々な化学反応に関わっていますし、
老廃物質の排泄や、血液循環の促進による代謝の向上、むくみの改善にもつながりますので
ダイエット中の女性には特に意識して欲しいポイントとなります。
ダイエット中の女性は1日に1.5〜2Lの水を目標にして摂取していきましょう!
食物繊維の摂取を意識
ダイエットに効果のある唯一の栄養素と言われている食物繊維。
とても腹持ちが良く、血糖値の急上昇を抑える働きを持つことから食欲を抑える効果があります。
また身体を冷やさないように、血行促進作用のあるビタミンEや、酸素を身体中に運搬してくれるヘモグロビンの材料である鉄分を多く含む根菜類の摂取がオススメになります。
まとめ
いかがでしたか?
女性ホルモンの働きによる身体の変化や作用、
それに対する対策を知識として持っておくだけでも大分心構えが変わってくると思います。
ご自身の身体の変化と向き合い、正しく対策することで
不安の多い期間も上手にダイエットやボディメイクを楽しんでいきましょう♪
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